虫歯治療
小さな異変も見逃さない!
虫歯は早期発見・早期治療が重要です
虫歯治療には、「削るのが痛い」「ドリルの音が怖い」といったネガティブなイメージが付きまとうものです。そうした恐怖感は、進行しすぎた虫歯に対する治療から来ています。つまり虫歯の程度が軽いうちに対処すれば、痛くてつらい治療になることはありません。
ごく初期の虫歯ならば、歯は再石灰化を促すことで削らずに修復させることが可能です。少し穴が空いてしまっても、歯の表面だけの虫歯ならば、削る時に神経を痛めることもなく、時間もかけずに治療できます。
虫歯部分を削り取って銀歯などの補綴物で補う治療は、歯の機能を取り戻すものですが、削ってしまった部分を完全に元通りに復元することはできません。大切なご自身の歯を、できるだけそのまま残すために、削る量が最小で済むよう早期に発見し治療することが重要です。
虫歯ができる4つの条件とは?
虫歯ができる条件は4つあります。
より適切に虫歯予防に努めるために、
あらためて確認してみましょう。
① 虫歯菌
生まれたばかりの赤ちゃんの口内には、虫歯菌がいないということはご存知でしょうか。お子さまの歯を守るために、スプーンなどを共有しないよう気を付けているご家庭も多いと思います。虫歯菌は 口の中のプラーク(歯垢)をすみかにしてます。虫歯菌を減らすためには、徹底的に歯垢を除去する必要があります。丁寧な歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシなどで、歯ブラシが届きにくい箇所も清掃すると良いでしょう。
② 糖質
虫歯菌がエサにしているのは、人間が口にした食べ物に含まれる糖質です。虫歯菌は糖質を分解し、酸を作ります。この酸が歯を溶かすことが虫歯なのです。口の中に糖分が残らないよう食事の後は欠かさず歯磨きしたり、甘い物を食べすぎないことが大切です。1日の砂糖の摂取量の目安は約20グラムなので、生活習慣病予防も意識して気をつけてみましょう。
③ 歯質
歯を構成するエナメル質や象牙質の状態によって、虫歯になりやすい場合があります。乳歯から永久歯に生え変わる時期も虫歯になりやすく、生えたばかりの永久歯の奥歯には、虫歯を予防するために溝を埋めるシーラントという処置をすることもできます。また歯根は酸に弱いので、歯周病などで歯根が露出すると虫歯のリスクが高まります。バランスの良い食事や生活習慣で口内環境を整えるとともに、歯科医院でフッ素塗布など行なうと良いでしょう。
④ 時間
口内に虫歯菌を存在させてしまい、食べ物の糖質があって、虫歯になりやすい歯質だったとしても、それらを放置して「時間」を与えなければ、虫歯に発展することは難しくなります。長い時間、虫歯菌の生み出す酸に大切な歯をさらないことが大切です。食事の時間守ってダラダラ食べたりしない、甘い飲み物ばかりをとらないなど、メリハリのある食生活を心がけましょう。
虫歯の進行と治療方法
CO
歯の表面のカルシウムが溶け出して変色します。ごく初期の段階なので痛みはなく、 削らずにフッ素塗布などで治療できます。
C1
歯の表面のエナメル質に、小さな穴が開いた段階です。痛みは出ませんが、進行しないよう虫歯部分を削ってレジンなどを詰めます。
C2
虫歯がエナメル質の内側にある象牙質に達した段階です。痛みといった自覚症状も出ます。虫歯部分を削り、被せ物などで修復します。
C3
虫歯が歯髄にまで到達し、激しい痛みが出ます。神経を残すことが難しい場合には除去し、歯根内部を清掃する根管治療を行ないます。
C4
ほぼ歯根しか残っていない段階です。歯根に膿ができ、放置すると顎骨にまで炎症が及び危険です。多くの場合、抜歯して治療します。
定期的なメインテナンスと定期検診が大切です
どんな病気でも、最も効果がある治療は「予防」です。虫歯にならないよう、日ごろから生活習慣や歯磨きに気を配り、予防に努めることが大切です。しかし日常でどんなに気をつけていても、磨き残した歯垢が歯石化してしまったり、虫歯になりやすい歯質で難しかったりということはあります。
そこで利用していただきたいのは、歯科医院での定期的なメインテナンスです。歯垢や歯石をクリーニングし、汚れが付きにくいツルツルの歯にします。食べカスが残りやすい部位のチェックや、磨き方の癖などがある場合にはブラッシング指導も行ないます。
定期検診を受けることで、自覚症状がまったく出ない初期段階の小さな虫歯も見逃すことなく対応できます。